最近では徐々にメジャーになりつつあるスノーシュー。これを初めて知ったのは30年ぐらい前だった。冬山登山の技術書に紹介されていたのを見たのが最初。それはまさに今回この記事に書く木製のものだった。
この木製のスノーシューは北米などでネイティブによって作られていたスタイルのようで、余り起伏の大きくない樹林帯で使用したりするのが似合う装備だ。
現物を初めて見たのは、それから数年後・・・25年ぐらい前・・・北海道の札幌にある登山用品店、秀岳荘にディスプレーされていた物を見たのが最初だった。
いわゆるワカンは、それまで何度か使ったことがあったが、スノーシューは、明らかに機能的で、クラフトとも呼べる美しさもあった。そして、それに強い興味を持った。また、ちょうど同じ頃に、冬の北海道で気球を飛ばしていて、吹きだまりにはまるといかに大変かを身をもって知って、漠然と欲しいなぁと思ったのだ。
その後・・・最初に買ったのはTUBBSの品物で、90年代になってからだったろうか・・それから、ATLASやMSRなどの金属製のフレームのモデルも買っている。
そんななかで、木製の物も、2つほどコレクション的に入手している。そのいずれもが、ヤフオクで見つけ、それぞれ5000円ほどという、かなり安い値段で手に入れられた。
LLビーンと、カベラスという、アメリカのアウトドア系通販会社のブランド名が入った物だ。たぶん製造されたのは10年~15年ぐらい前じゃないだろうか。どちらも未使用で売られていて、自分も買ってから一度も雪の上で使ってない・・・ディスプレーになっているのだ・・・
作りは、LLビーンの方は木製フレームにゴム引きの素材を編み込んで作れれていて、やや現代的な物。カベラスの方は昔ながらの生の皮を編んで作られている。長さ的には同じなのだが、テールの型状、重心位置、足を踏み込む部分の大きさなど、カベラスの物は女性向きなのか、細身でやや小さく、LLビーンは男性向きのようだ。
カベラスのビンディングは紐で編む部分と、後側のプラスティック・バックルという構造。
LLビーンは金属製のバックルで締め込むような構造だ。
いずれも、デザイン的にはトラディショナルなウッドだが、細かい部分はやはり現代の製品として作られている。
見た目の美しさで、ディスプレーとしてしか使ってないが、今年の冬はこのトラディショナルなスノーシューでハイクにでも行こうかと思っている。北海道あたりの雪原を歩くのが似合いそうだが、まずは戦場ヶ原あたりかな。嫁さんと2人で歩くのにちょうど良いかと思っている。
また木製の出物がないか、時々オークションをチェックしたりもするのだが・・・なかなか見かけない。
2011年12月11日日曜日
2011年12月8日木曜日
タイベック溶着の強度と防水テスト
タイベックを溶着加工でスタッフバックを作ってみたが、どれぐらいの強度があるか簡単に試してみた。
スタッフサックに水を入れてみた。
小さなスタッフサックに1.5Lの水を入れてぶら下げて水漏れや破損がないかのテスト。
しっかりと水を受け止めている。論理的には、溶着しているので水漏れは起きないはずだが・・・
微妙に溶着部分から漏れている・・・ごく少量だが・・
完全防水とは行かないが、ほぼこの用途なら問題ない防水性が維持できているのではないだろうか。ロールアップ式の防水バックとは違うし・・それに、タイベック素材にアイロンで貼り付けるようなウレタン防水テープを使えないので、この方法での防水は悪くないと思う。強度がどの程度保障出来るかがまだ解らないが、それがハッキリしてくれば、より使える範囲が広がってくるだろう。引っ張りテストなどを少ししてみよう・・・同時に何か作ってフィールドテストをするのが良さそうだと思っている。
スタッフサックに水を入れてみた。
小さなスタッフサックに1.5Lの水を入れてぶら下げて水漏れや破損がないかのテスト。
しっかりと水を受け止めている。論理的には、溶着しているので水漏れは起きないはずだが・・・
微妙に溶着部分から漏れている・・・ごく少量だが・・
完全防水とは行かないが、ほぼこの用途なら問題ない防水性が維持できているのではないだろうか。ロールアップ式の防水バックとは違うし・・それに、タイベック素材にアイロンで貼り付けるようなウレタン防水テープを使えないので、この方法での防水は悪くないと思う。強度がどの程度保障出来るかがまだ解らないが、それがハッキリしてくれば、より使える範囲が広がってくるだろう。引っ張りテストなどを少ししてみよう・・・同時に何か作ってフィールドテストをするのが良さそうだと思っている。
2011年12月5日月曜日
タイベックを溶着する
ウルトラライト系アウトドアの世界でかなり興味を持たれ、一部で使われはじめているタイベックを溶着で加工してみた。
前回、キューベンを溶着で加工してみて失敗したので、これはどうかなぁと思っていたが、意外によい結果を得られているので紹介する。使用した素材はソフトタイベックス。
加工が終わった状態。裏側になる。
溶着部分のアップ。溶着したところは半透明になる。
裏返してひもを通した状態。
キューベンに比べて溶着部分もそれなりに強度があり、実用に耐えそうな感じ。溶着するとき、温度をかけ過ぎると強度が落ちる傾向があるので注意が必要。しばらく色々使ってみたりして、様子を見ようかと思う。
溶着に使用したのは、クリップシーラーZ-1という製品。3000円ほどで購入できる。
そのほか、この溶着手法を使用して色々製作してみようかと思っている。
前回、キューベンを溶着で加工してみて失敗したので、これはどうかなぁと思っていたが、意外によい結果を得られているので紹介する。使用した素材はソフトタイベックス。
加工が終わった状態。裏側になる。
溶着部分のアップ。溶着したところは半透明になる。
裏返してひもを通した状態。
キューベンに比べて溶着部分もそれなりに強度があり、実用に耐えそうな感じ。溶着するとき、温度をかけ過ぎると強度が落ちる傾向があるので注意が必要。しばらく色々使ってみたりして、様子を見ようかと思う。
溶着に使用したのは、クリップシーラーZ-1という製品。3000円ほどで購入できる。
そのほか、この溶着手法を使用して色々製作してみようかと思っている。
2011年12月3日土曜日
パックラフト
まだ余り広く知られていないが、パックラフトという船を買った。
アメリカで超軽量の一人乗りのラフトが、長いトレイルを歩いたり川を旅したりする人に使われ始めているという情報を聞いていて・・・興味を持っていたが、ちょうどメーカーがセールをしていたのでポチった・・
到着してからなんだか天気がずっと悪く、リビングで広げてみた。
スプレーデッキと、スプレースカートが一体になった構造。シートもインフレータブル、スプレースカート部分にもインフレータブルの構造がある。波を受けたとき両側に分けるような感じのシェイプになっている。
中はこんな感じで、スプレーデッキは取り外すことも出来る。
一見ただのゴムボート状ではあるが、このパックラフトの売りは、とにかく軽いこと。
本体だけなら2.4キロほど、シートやスプレーデッキ、ふくらませるための特殊なポンプなどを収納袋に入れた状態で3.1キロしかない。それに大きさも2人用のテントぐらいの大きさになる。
インフレータブルカヤックなどが一人用でも10キロを超えることを考えるととても軽い。自分の買ったモデルはこのパックラフトの中でもヤヤ大きいモデル。
スペック的に長さ2.4m 巾97センチ 出してからセッティングが終わるまで5分と掛からない。
軽いのはとても良いのだけど耐久性とかもちょっと不安があるのだが、色々な使用例など見ると十分に使えそうな感じがする。
こんな動画とか、
こんなインフレーションバックのアイデアも面白いので
こんな動画を見てしまったのが、ポチった理由でもある。今年の夏何度も眺めた黒部の源流・・・リジットカヤックや重いインフレータブルでは不可能なエリアだし・・・
ドライでも着て那珂川でもまずは行ってみたいんだが。船より人間の装備品の方が重いんだよね。
アメリカで超軽量の一人乗りのラフトが、長いトレイルを歩いたり川を旅したりする人に使われ始めているという情報を聞いていて・・・興味を持っていたが、ちょうどメーカーがセールをしていたのでポチった・・
到着してからなんだか天気がずっと悪く、リビングで広げてみた。
バウ側から |
スターン側から |
スプレーデッキと、スプレースカートが一体になった構造。シートもインフレータブル、スプレースカート部分にもインフレータブルの構造がある。波を受けたとき両側に分けるような感じのシェイプになっている。
中はこんな感じで、スプレーデッキは取り外すことも出来る。
一見ただのゴムボート状ではあるが、このパックラフトの売りは、とにかく軽いこと。
本体だけなら2.4キロほど、シートやスプレーデッキ、ふくらませるための特殊なポンプなどを収納袋に入れた状態で3.1キロしかない。それに大きさも2人用のテントぐらいの大きさになる。
インフレータブルカヤックなどが一人用でも10キロを超えることを考えるととても軽い。自分の買ったモデルはこのパックラフトの中でもヤヤ大きいモデル。
スペック的に長さ2.4m 巾97センチ 出してからセッティングが終わるまで5分と掛からない。
軽いのはとても良いのだけど耐久性とかもちょっと不安があるのだが、色々な使用例など見ると十分に使えそうな感じがする。
こんな動画とか、
こんなインフレーションバックのアイデアも面白いので
こんな動画を見てしまったのが、ポチった理由でもある。今年の夏何度も眺めた黒部の源流・・・リジットカヤックや重いインフレータブルでは不可能なエリアだし・・・
ドライでも着て那珂川でもまずは行ってみたいんだが。船より人間の装備品の方が重いんだよね。
2011年12月2日金曜日
カヌー遊びの原点
カヌー遊びを始めた原点は、今から30年ぐらい前、1982年、横浜の伊勢佐木町にある有隣堂という大きな本屋で、この本を見つけたことだった・・・
野田知佑の”日本の川を旅する”の初版本だ。
何となく手に取り、買った。
ファルトボートによる川旅というスタイルに強烈な印象をもっようになった。そのころは、ちょうど大学のサークルで熱気球を製作し、それから数年は100%それに精力をつぎ込んでいたため心の片隅にずっと、カヌーでの旅というスタイルが記憶されているだけだったが。
不思議なことに30年も前の話なのに、この本が有隣堂のどこに置かれていたか、鮮明に覚えていることだ・・・
1987年、初めてのヨーロッパのバックパッキングの旅の途中。スイス、バーゼル。夜行列車での到着だったため睡眠不足だったので、街のなかを流れるライン川沿いの公園でボーッとたたずんでいると、川下から一組の男女が乗った木造のカヤックが川の流れに逆らうように登ってきました。今思えばその船は合板のチャイン艇だったと思うのだが。川の流れに逆らうのだから、漕げども漕げどもゆっくりとしたスピードしか出ないが、確実に川をさかのぼって上流の方まで行って、方向を変え下流に向かってかなりのスピードで漕ぎ下っていった。偶然見かけたこれだけのことなのだが、忘れていた思いが沸々とわき上がってくる物を感じずには居られなかった。強く印象に残っている風景。
1990年 時はバブル、アウトドアブームとも重なり、カヌーがかなり色々なところで目にされるようになっていた。気球のイベントで真冬の北海道に行き、帰り札幌の秀岳荘に立ち寄り、そこでファルトを目の当たりにし、わずか1時間ぐらいの間に、30万からのファルトを衝動的に購入してしまった・・バブリーな時期ですね・・・当時すでに、フェザークラフトや藤田カヌーなどの商品については雑誌などでそれなりの知識を持っていたが、余り迷わず展示してあったアメリカ製のファルボット、ニンバスのパドルを選択した。要するに輸入物が欲しかっただけなのかもしれないが・・・国産のカヌーのどうにも貧乏くさい雰囲気がいやだったのかもしれない。これは現在に至る遊び道具選びにおける選択すべてに言える私の嗜好かもしれないのだが・・・なにかフィロソフィーが足りないからだと思う。
それ以降、様々な経緯で多くのカヌー&カヤックを所有するにいたっている。アクアミューズ以外はすべて海外のメーカーの物で、それぞれのメーカーの設計思想や構造など比較すると非常に面白く、手元にあるカヌーたちはどれも個性的な物ばかりだと思いる。
違ったスタイルの新艇が来たのだけど、ふと原点はどこなんだろうと・・・思い返しながらの記事なんだが・・
やはりカヤックは海より川の方が何となく好きだと思うのはこんな経緯もあるし、先祖からの血かもしれないと思う部分もある・・・
野田知佑の”日本の川を旅する”の初版本だ。
何となく手に取り、買った。
ファルトボートによる川旅というスタイルに強烈な印象をもっようになった。そのころは、ちょうど大学のサークルで熱気球を製作し、それから数年は100%それに精力をつぎ込んでいたため心の片隅にずっと、カヌーでの旅というスタイルが記憶されているだけだったが。
不思議なことに30年も前の話なのに、この本が有隣堂のどこに置かれていたか、鮮明に覚えていることだ・・・
1987年、初めてのヨーロッパのバックパッキングの旅の途中。スイス、バーゼル。夜行列車での到着だったため睡眠不足だったので、街のなかを流れるライン川沿いの公園でボーッとたたずんでいると、川下から一組の男女が乗った木造のカヤックが川の流れに逆らうように登ってきました。今思えばその船は合板のチャイン艇だったと思うのだが。川の流れに逆らうのだから、漕げども漕げどもゆっくりとしたスピードしか出ないが、確実に川をさかのぼって上流の方まで行って、方向を変え下流に向かってかなりのスピードで漕ぎ下っていった。偶然見かけたこれだけのことなのだが、忘れていた思いが沸々とわき上がってくる物を感じずには居られなかった。強く印象に残っている風景。
1990年 時はバブル、アウトドアブームとも重なり、カヌーがかなり色々なところで目にされるようになっていた。気球のイベントで真冬の北海道に行き、帰り札幌の秀岳荘に立ち寄り、そこでファルトを目の当たりにし、わずか1時間ぐらいの間に、30万からのファルトを衝動的に購入してしまった・・バブリーな時期ですね・・・当時すでに、フェザークラフトや藤田カヌーなどの商品については雑誌などでそれなりの知識を持っていたが、余り迷わず展示してあったアメリカ製のファルボット、ニンバスのパドルを選択した。要するに輸入物が欲しかっただけなのかもしれないが・・・国産のカヌーのどうにも貧乏くさい雰囲気がいやだったのかもしれない。これは現在に至る遊び道具選びにおける選択すべてに言える私の嗜好かもしれないのだが・・・なにかフィロソフィーが足りないからだと思う。
それ以降、様々な経緯で多くのカヌー&カヤックを所有するにいたっている。アクアミューズ以外はすべて海外のメーカーの物で、それぞれのメーカーの設計思想や構造など比較すると非常に面白く、手元にあるカヌーたちはどれも個性的な物ばかりだと思いる。
違ったスタイルの新艇が来たのだけど、ふと原点はどこなんだろうと・・・思い返しながらの記事なんだが・・
やはりカヤックは海より川の方が何となく好きだと思うのはこんな経緯もあるし、先祖からの血かもしれないと思う部分もある・・・
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