2011年10月16日日曜日

幕営指定地以外の幕営は・・?涸沢1200張りで考えたこと



先日の3連休、涸沢は1200張りものテントがひしめき合うように張られていたと、山仲間でも話題になっていた。


1200張りあれば、1張り1~2人いるとして、2000人ぐらいの人があの場所で幕営していたことになる・・・これだけの人数が、テントを持って山に入っている状況は、自分が若い頃を考えても無かったことだ。そして、その多くが最近テント泊をはじめたような感じの人だったと聞いている。

最近、以前に比べて各地で幕営に対する規制が強化、もしくは厳格化されてきている気がする。幕営指定地だった場所が取り消されたり、幕営適地とちょっと前のガイドブックに書かれていた場所が、行ってみると幕営禁止の看板があったりすることもあった・・・

幕営での山行が自分は好きだし、出来る限り山ではテントで寝たいほうなので、この流れは悲しむべきことなのだが、反面、それだけキャンプが環境に与える負荷が大きいことの裏返しなんだと思う。

今年の夏、7月の後半に巻機山に行ったのだが、ちょっと前のガイドブックには避難小屋の前あたりが幕営適地と書かれていて、その場所での幕営を考えたりしていたのだが、見事にそこは幕営禁止になっていた。そして、植生回復のため立ち入り禁止になっていた。が・・・その立ち入り禁止のロープの内側にコイワカガミなどが咲いているのを見て、ここに幕営しちゃいけないなと、納得してしまった。

大昔・・自分が20歳前後の頃、山で幕営することに対して余り規制がなかった。一応幕営指定地はあったが、それ以外の場所で幕営する人も結構いたし、自分も丹沢の山中などで何度も幕営したりしていた。というか、しちゃいけないという認識すらなかったかもしれない・・・戸沢の出会いの河原などは週末になるとテント村状態だったし・・・

そんな、まだ自由な時代に登山をしていた自分には、確かに今の幕営規制などはうっとおしく思う部分はあるのだが、涸沢1200張りの話を聞くと、その人たちが勝手に色々な場所で幕営しだしたらどうなるかを考えると・・・しょうがないね・・・と思ってしまう。

日本の山自体、すでにオーバーユースだし、この状況下で規制を強めなければ、山の環境破壊が進んでしまうことは間違いない。

ビバークと称して幕営指定地以外にテントを張っている人も時々居るようだが、やはりこれは非難されてもしょうがないんじゃないだろうか。少なくとも泊まれる小屋や幕営指定地があるルートであればそのルールには従うべきだろう。

しかし・・・・バリエーションルートや、沢、小屋が閉まってそのルート上に幕営指定地がない場所、積雪期などは、どう考えたらいいのか・・・このあたりの認識は暗黙の了解的に幕営が認められているのも現実だと思う。これは、登山の安全上と、このような環境では多少の幕営がオーバーユースにはなりにくいことなどが、暗黙の了解的な曖昧な判断となっている部分だと思うのだが。

いずれにしろ、すでにオーバーユースが明らかな日本の山では、極力、ルールには従うのが登山者として求められる最低のマナーなんだろう。自分だけは・・・とか、他の理由を付けた幕営やフォーカストビバークはしてはならないのではないだろうか。


海外のトレイルなどではかなり自由に幕営できるところも多いようだが、環境負荷の違いを考えると日本でそれを行うのは現実には無理と言わざる得ない。正直なところ、もう少し緩くてもいいと、少し前までは思っていたんだが・・・・・涸沢1200張りの話は、正直考えを改めさせられてしまった・・・あの1200張りの人たちに自由に山でテントを張って良いなんて言ったら、山はどうなるのか・・・考えたくもない。




涸沢には当分近づきたくないなぁと、今は思っているが・・・










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